標本という名前からはあまりにもかけ離れた美しさを放ちます。筋肉を透明化し、軟骨を青く、硬骨を赤く染色するという骨格研究の手法です。解剖が難しいような小さな魚でも、壊れそうなほどか細い骨でも生物が生きていた時の位置のまま、立体的にその骨格を観察できます。
[新世界]透明標本 New World Transparent Specimen [ 冨田 伊織 ]
究極の造形美である骨
なぜ、これほど骨は魅力的なのでしょう。生命の尊さを連想させるから?精巧に設計された建築物のように、精密で繊細だから?何より骨には、生物の進化の歴史が克明に刻まれているからではないでしょうか。無駄を削ぎ落とし、生きるために最も効率よく、機能的な形へと洗練された究極の造形美がそこにはあります。
普段は見えないものを見せてくれる
透明にしてみると、とたんに骨はまるで葉の葉脈のようにのびやかな姿を現します。まるで夕焼け空のように鮮やかに、赤や青、紫に染まります。人工物には到底真似できない、神のみがデザインできる芸術品にさえ思えるほどです。生命を感じるからこそ、これほどまでに心を奪われるのでしょう。
実物の標本も展覧会で間近で見ましたが、とても色鮮やかで美しいものでした。魚類でも外からみたら同じような形ですが、骨を見ると背骨が真っ直ぐだったり、曲がっていたりで構造が異なります。それぞれの生態により個性をみることができるのです。
<目次>
アンコウ・カブトガニ・エビ・イカ・フグ・ハギ・ヒラメ・カエル・イモリ・カメレオンなど