この世の中は外向型の方が友達をあっという間に作り、頭の回転が速く、行動も迅速だ。魅力にあふれ、職場でもリーダーシップを発揮する。一方、内向型はおとなしく、新しい環境では身体がかたくなり、おこるはずもないことにクヨクヨし、あらかじめメモをとって深呼吸をしてから電話したりする。そんな内向型の人へ「口数は少なくても、誰もが耳を傾ける」ような、自分の意見を主張するための実践的な方法を紹介する戦略書です。
「静かな人」の戦略書 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法 [ ジル・チャン ]
礼儀がなっていないと思われる
学校生活でも、就活でも、人は多くの場面で外交的な振る舞いを求められる。しかし、内向型人間はしゃべるのが苦手でシャイで打ち解けず、失礼だとか礼儀がなっていないとか、親からまともな躾を受けていないのではないかと思われてしまいます。そのため、多大な努力により「活発」「ポジティブ」「元気いっぱい」など、誰もが理想のイメージを片っ端から体現しようとするも、心と体に無理が生じてしまうことがあるのです。
自分を知り、自分の特徴を生かす
就活に対して困惑し尻込みをしていた私は、膨大な時間と労力の経験を積むことで勇敢で優しく、意思の強い人に見られるようになった。けれども、本当の望みはそれとは違う。私が望むものは、本当の自分を失わずに、自分らしくあることが、本来の歩む道なのです。外交的な人に憧れ、振る舞いを真似などせず、自分らしく、穏やかな、落ち着いた話し方をすればよいのです。地味すぎてぱっとしない、なんて思う人はいない。むしろ、控えめで凛とした落ち着いた態度や、無駄口を叩かないところこそ、安心感をもたらすのです。
脳が「即座の反応」に向いていない
内向型には2つの特徴がある。一つ目はじっくり考える傾向にあり、自分が言おうとしている言葉の真意を慎重に考えてから口を開く。二つ目は内向型は長期記憶に頼る傾向にあります。長期記憶は短期記憶よりも複雑で手間がかかるため、即座に対応するのがそもそも得意ではないのです。そのため、外向型になろうという戦略は得策ではないのです。
<レビュー>
不器用な生き方しかできない人におすすめ
外向型になろうと努力したところで、内向型の悩みは解決しません。内向型には内向型の能力が備わっていてます。それを発揮するには、内向型のやり方があります。物事を深く考えがちで、多くの刺激に対応できない。慎重で用心深く、話すよりも相手の話を聞くのが好き。争いはなるべく避け、ひとりで仕事をするのも苦にならない。人の外見に無頓着で、顔をよく覚えていないことが多いなど、仕事で有利に働く場合もあれば、課題となる場合もある。自分自身をよく理解し、自分ならではの方法を見つけてみましょう。
「静かな人」の戦略書 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法 [ ジル・チャン ]