世界と日本の資源を知る

知識が広がる本

「資源」が私たちの生活に欠かせないことは誰もが知っています。ところが日本では主要な地下資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。かつ地震、火山が多い日本で暮らすうえで、地学(地球科学)の知識がないのはとても危険な状況と筆者は語っています。本書では、エネルギーと環境の問題の根底にある自然現象について、地球科学の視点からわかりやすく解説しています。

世界がわかる資源の話 [ 鎌田 浩毅 ]

日本人の贅沢すぎる水消費

地球上にある水のうち、97%は海水です。そのうち、2%は凍った状態で北極や南極にあり、残りの水もほぼ地下にあります。そのため、人間が使える水は地球上の水のうち、わずか0.01%しかありません。そんな貴重な水ですが、産業排水や生活排水、気候変動による水質汚染などにより安全な水はすでに不足しています。こういった理由により、水紛争がたびたび起こっています。日本人が消費する水の量は1日300リットルといわれ、あたり前に使っているのが現状ですが、世界の国々では非常に深刻な問題です。

森林伐採と文明崩壊の歴史

人類の文明の発達には、常に森林伐採がありました。伐採された樹木は建築物や船舶の材料だけではなく、煉瓦を焼くためや、金属を溶かす木炭としても大量に消費されてきました。紀元前2400年ごろの古代メソポタミア文明では森林伐採により、洪水や塩害がで砂漠化が進行。上流に移動したものの、1400年頃に滅亡しています。人類は生活を豊かにすることで文明を推し進めてきましたが、文明の根底を揺るがす行為でもあるのです。

毎年「あと40年で石油がなくなる」と言われるが

石油は地下3〜5kmの地層にたまっています。主に中世代の生物の死骸が分解され、炭素と水素を含む化合物になりました。これを石油と言います。長い年月をかけて生成されていく資源のため、1970年代のオイルショック時には「あと30年でなくなる」といわれていました。それから50年近くが経過しましたが、石油は枯渇していません。その理由は採掘の技術進歩により1.3倍ほど増加したのと、実際にはどれくらいの石油が地中にあるかは未知数な部分が多いためです。

地球科学の観点からは、東日本大震災を引き起こした地殻変動は終わりではなく、むしろ活動期に入り、今後さまざまな激甚災害が予想されます。さらに世界的に地球温暖化が問題と騒がれていますが、火山の大噴火により地球寒冷化に起き換わる可能性も出ています。こうした時代の資源問題を解決するために必要なのが、地球内部と日本列島に関する正確な基礎知識です。身近な「家庭生活」レベルから、「日本の国」レベルの状況の知識を深めるのにおすすめの一冊です。

<目次>
第1章 水・森林 生命をつかさどる原初の資源
第2章 エネルギー資源 文明の発展をつかさどる資源
第3章 鉱物資源 最先端のテックを左右する資源
第4章 資源の未来 環境保護の取り組みと私たちがすべきこと

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