慣れ親しんでいる日本語には、大和言葉、漢語、外来語と大きく3つに分けられます。このうち、古来日本より伝えられてきたのが大和言葉です。ある意味では純粋な日本語といえるでしょう。大和言葉は美しく、洒落た言葉の宝庫なのです。
覚えておきたい美しい大和言葉 (だいわ文庫) [ 日本の言葉研究所 ]
<はじめにの内容>
千年以上にわたる日本人の言葉
大和言葉は語感や響きを目と耳でたのしめ、肌感覚で意味や内容が理解でき、思いも伝わりやすいという美点があります。せっかく古人が残してくれた珠玉の言葉の数々を味わい、活用してみることで、豊かな世界が見えてきます。
楽しめる大和言葉
本書では実用性を少し横に置いて、「聞いたことはあるけれど使い方がわからない」「あまり見かけないが、きれいな響きや語感をもっている」「知らない言葉だけれど、現代語に変換するときれいな言葉になる」など、普段はお目にかかれない大和言葉を中心に紹介しています。
大和言葉の一例
・しなやか→嫋やか(たをやか)
・火葬される(死ぬ)→雲となる
・心の中で恋しく思うこと→心恋(うらごひ)
・ふっくら丸い→円か(つぶらか)
・飲み友達→削り友達
・手紙、便り→雁の使ひ(かりのつかひ)
<レビュー>
大和言葉で「思い解く(おもいとく)」というのは、「悟る」という意味です。ただ知るというよりも、深い洞察力と理解が必要であるという悟るという状況を的確に表現しています。「熱る(ほとほる)」とうのは、「熱くなる」という意味です。熱が出るなどのほか、腹を立てるという意味もあり、現代では感情が尾を引いたり、関心が高まっている様を表し「ほとぼりが冷める頃」などと使われています。語彙が広がる新しい発見に出会うことでしょう。
<目次>
第1章 時・季節の言葉(天つ日「太陽」/朝まだき「夜明け」 ほか)
第2章 装いの言葉(見目佳し「美人」/装ひ「服装」 ほか)
第3章 味わいの言葉(執り行ふ「一杯やる」/酌む「お茶やお酒を酌んで飲む」 ほか)
第4章 住まい・暮らしの言葉(終の住拠「死後に落ち着く所」/営み出だす「つくる」「つくり上げる」 ほか)
第5章 思いの言葉(待つ宵「恋人を待つ夕方」/涙にむす「涙で声がむせる」 ほか)