家はどのようにつくっておけば散らかりにくいのかを解説した本です。散らかっている部屋をどうやって片付けるのかの技術や精神論ではなく、そもそもの住宅設計の根本である知恵や工夫、または背景の深い理由が解説されています。
片づけの解剖図鑑 心地よい住まいをつくりだす仕組み [ 鈴木信弘 ]
<はじめにの内容>
散らかりやすい家とは
片づけという側面に絞ると「人はどのようなモノを家に持ち込み、それをどのように利用し、片付けようとするのか」という一連の流れを把握した住宅設計が重要です。ここをおろそかにした家に住んでいる限り、あなたの片づけの努力は一向に報われません。一定の努力が報われるためには、住宅そのもののつくりを見つめ直してみることが必要です。このことは、建物の優先順位が見た目のよさやコストといった部分などに移ってしまっただけの話で、住宅設計の現場ではよくある話なのです。
片付けやすい×家=人間を見つめること
本書は新しい家を立てる方や大幅なリフォームを予定している方に「片付けやすさ」という観点で見つめ直すのに役にたちます。リビングが散らかりやすい構成になっていないか、キッチン廻りで予想される不便さは事前に解消されているかなど、家族一人ひとりの顔を思い浮かべながら検討することが重要です。
心地よく片付く仕組み
「なぜ、自分の家は散らかるのか?」という積年の疑問を建設的な角度から分析してみることで、建物そのものに手を加えるチャンスがなくても、部屋の模様替えや家具の配置をどうしたらよいのかのアイデアになります。人間の何気ない動きや習性、住宅というものの機能や役割を捉え直すよい機会となります。
<レビュー>
収納がたっぷりあるのに、片付かない家はたくさんあります。その理由は必要な場所に収納を作り忘れてしまったからです。クルマに乗って目的地に到着したら駐車場を探しますが、広くても遠くにしかなかったら不便ですよね。近くに1台でも停められる場所があれば便利です。この本は散らかりにくくて片付けやすい収納をわかりやすく解説しています。
<目次>
1 ヒトの動きを追いかける(片づく家とは?-駐車場が豊富な街は、暮らしやすい。/玄関ー港には、巨大な倉庫がお似合いです。/壁面ー大きな窓は、たよりない。/リビングーテーブルは万能選手。でも、仕事のさせすぎはいけません。 ほか)
2 すべてのモノには場所がいる(洗濯機ー「干す」と「たたむ」の間で。/衣類ー「タンス買う」。その決断が命取り。/布製品ー日陰者こそ、陽のあたる場所に。/食材ー食料は冷蔵庫のみにて生きるにあらず。 ほか)