個性豊かな発達障害の人たちを理解するのにおすすめ

人生を楽しむ本

デスクの上はごちゃごちゃ、会議の打ち合わせに毎回遅刻、何をやらせても段取りが悪い、何度も同じミスを繰り返す、突然キレる、つい口にした一言に周囲が凍りつくなど、あなたの周りにこんな人はいませんか。本書はADHD、アスペルガー症候群の人たちにどう対応したらいいかが具体例な対応策を提案しています。

会社の中の発達障害 いつも嫌なことを言う上司、いつも迷惑をかける部下 [ 星野 仁彦 ]

発達障害は主に3つに分類

発達障害とは社会性やコミニュケーション能力などの発達に何らかの隔たりがあるために生じる状態を指し、不注意で落ち着きがなく、衝動性、多動性がのが見られる「注意欠如・多動性障害(ADHD)」や、想像力や社会性などに問題がある「自閉症」「アスペルガー症候群(AS)」などを含む「自閉症スペクトラム障害(ASD)」、ある特定の能力の習慣に不都合のある「学習障害(LD)」です。その原因は、脳の一部における「発達のアンバランス」からくる機能性障害によるもので、性格や親のしつけに起因するものではありません。

社会に出てからわかる人もいます

軽度から重度まで、あるいは複合型と、さまざまなパターンがあるために、周囲ばかりか当人もその病態を把握しにくい面があり、正確に診断できる医師が少ないそうです。子どものころは「落ち着きのない子」「活発な子」と思われ、学校の成績がよいことも少なくありません。成人し社会に出てからうまくいかないことが重なり、初めて自分が発達障害であることに気づく人が多数見られます。また、社会になじめないことで、うつ病や不安障害、依存症などの「二時障害」を併発することもあり、引きこもりやニートの増加の背景にも発達障害が疑われています。

ほとんどの場合、上司や部下は選べません

発達障害だから仕事ができないということでなく、むしろ得意分野において素晴らしい才能を見せることがあるのです。お互いにうまく距離を取り合いながら、それぞれの場所で能力を発揮できれば、職場の人間関係や雰囲気が改善し、仕事のパフォーマンスも上がります。この本では、仕事の場で発達障害者と接する場合の具体的な対応策を提案しています。その周囲の人たちが気持ちよく働ける職場が増えることを望んでいます。

著者は発達障害という言葉のため、誤解を与えていることは否定できないと述べています。ADHDは、行動面だけに問題があるのではなく、社会性、学習面、認知機能、運動機能などのバランスが不具合である状態をいいます。そのため学者や研究者の中では発達障害のことを「発達アンバランス症候群」と呼ぶべきだという声が増えているそうです。「なんでこんなに仕事できないんだ」ではなく、周りの人たちがもっと理解することで、それぞれが持っている個性が活きるように願いたいです。

<目次>
第1章 大人の発達障害とは
第2章 大人の発達障害の種類と特性
第3章 職場で見られる発達障害
第4章 発達障害に気づいて三十年ーある心療内科医の体験記
第5章 発達障害に似た症状と発達障害の治療法

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