上司に内緒でひそかに読むべき「韓非子」

知識が広がる本

韓非子の書を読んだ途端、秦の始皇帝は、こう叫んだと言われている。「これを書いた者に会えたら死んでもいい」それほどまでに始皇帝に熱愛された書なのです。

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<解題より>
異端の書であった
一読してわかる。猜疑心がつよい。人を見る眼が暗い。だれのことも、なにか企んでいると見る。敵には容赦ない攻撃をし、しかも執拗である。好奇心が旺盛で、比喩がゆたかで巧妙。論理の組み立ても群を抜いて天才、鬼才と言われていた。自分の主張する「法術」にはゆるぎない自信をもち、それを認めてもらうために、労をいとわず、生命をおしまず、疲れを知らない。それが韓非子でありました。

多数の思想家が出現
韓非の時代は、諸氏百家と言われる多数の思想家が出現しました。儒家(孔子、孟子、荀子)、墨家(墨子)、道家(老子、荘子)、名家(公孫竜、恵子)、陰陽家(鄒衍)などがあり、韓非子は法家に属します。互いに論争を闘わせつつ、諸国を遊説してまわり、自分を登用してくれる先を求めました。この当時の国の概念は、諸侯(王)の私有物であり、それぞれの思想家が、生国で登用されなかったら、他国に自分を売り込みにいくのはごく普通のことでした。

為政者がひそかに読むべき書
「韓非子」は奏の始皇帝に信奉されることで、理論面で中国初の天下統一に大きく貢献したが、漢の武帝の時代になると、韓非がもっとも敵視していた儒家の教えが国教と定められました。儒教は、孔子を祖とする学派の教えであり、二千年にわたって中国社会のあらゆる面における規範となりました。儒教は体制維持のうえでは、きわめて有利で都合のよい学問だと言われています。しかし為政者にとっては「韓非子」のほうがおそらく役に立った内容をもっていました。人民に勧める性質ではなく、ひそかに読むべきものでした。

<レビュー>
韓非子の内容は法術主義に尽きます。いかにして説得力を持たせるかと言う点が見どころです。「至言は耳に忤いて心に倒す。賢聖にあらざればよく聴くなし。」では、君主は耳に逆らうことを聞いて「行ないに利あり」などと受けとるのは稀であって、それこそ聖人か賢人でもなければ、そうは聞いてくれない。現に、紂のために諫言して犠牲になったのは、閉じ込められた文王(ぶんおう)、火あぶりにされた翼候(よくこう)、干し肉にされた鬼候(きこう)、心臓を裂かれた比干(ひかん)、塩漬けにされた梅伯(ばいはく)。相手が愚かな君主では、いかに道筋が通っていることを説いても、処罰をうけてしました。上司を説得するための処世術をひっそりと学んで、仕事に活かしましょう。

<目次>
●百言(1〜100)
知っていて言わないのは死罪 戦争は本来避けるべきもの 自分の富は自分で築け おしゃべりも無口もいけない 正義感の強すぎる頑固者は困りもの 理想的な人材の共通点とは 子どもだって愛情だけではだめ 口のうまい右腕に気をつけろ など
●百話(1〜100)
上下関係の理想的なありかた あくまでも仁と智にかなった行為のほうを 人はだれでも安全なほうを これが本当の仁だ 人を害する心を捨てれば悠々と渡れる 仕事を途中で簡単にやめるな 人にだだで与えるべきものはなにもない 侵略者はいつもこんな口実をつくる など

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