神話と繋がる日高見国の日本人

知識が広がる本

文明学者のハンチントンが「文明の衝突」のなかで、「日本だけが一国で一文明を形成する」といいました。多くの民族が入り込みながらも一貫して、同一民族の国と成り立ってい日本。中国も五千年の歴史といいますが、漢民族出身の皇帝の数は、周辺国から侵入し支配するようになった皇帝の数よりも少なく、奏の始皇帝がユダヤ系だったことは明白と考えられます。それだけ多国の民族が入った分断の歴史で、連続した歴史は世界にないのです。

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<はじめにより>
架空の国「邪馬台国」
普通、日本の「古代」といえば、飛鳥時代から平安時代までの期間をいいますが、この本では縄文時代から推古天皇の時代までを古代と記述しています。縄文時代から古墳時代までは、文字がない時代だっからという理由で、正当な歴史は語られませんでした。その書かれなかった原因の一つが「邪馬台国」という架空の国への、戦後の妙なこだわりがあります。

歴史研究に値しない「邪馬台国」
文字で書かれたからということで、お隣中国の「魏志倭人伝」、すなわち「三国志」の「偉人伝」だけが奇妙に尊重され、その「邪馬台国」やらが、現実にあったかのように論じられていますが、日本の文献では江戸時代まで、そのことに一切触れていません。おそらく皇室も知らなかったと思われます。また、これを認めるには現地調査が必要ですが、誰も現実の場所を見出していませんし、地元の記述も一切ないのです。このような杜撰な研究は歴史研究には値しないのです。

文字資料以上に残された形象
文字がなくても、日本には考古学上の遺物や造形物で十分にわかります。その上で、後代書かれたものから、かなりの部分が読み解けるようになりました。これまで古墳時代以前は不明の時代として、日本史の記述はほとんどまともになされてきませんでした。しかし、八世紀に成立した「日本書紀」も「古事記」も、その形象学の観点から、改めて読み直すことが可能となりました。文字資料以上に、残された形象によって、日本の歴史の展開するすべての基本が形成されていたことを読み取ることができるのです。

<レビュー>
はるか昔、日本を目指して「太陽の昇る国」として「日本」に多くの外国人が向かってきました。地球は球形ではなく、平らだと考えられた時代、太陽が昇る方向へ向かうことは、理想に向かうことを意味しており、その最極東に位置しているのが日本列島だったのです。著者が特に注目しているのは「古事記」「日本書紀」「風土記」でも一様に語られている高天原(たかまがはら)、つまり「日高見国(ひたかみのくに)」とう国の存在です。縄文時代は日高見国の時代で、それが神話に記されている「高天原」なのです。それはフィクションではなく、現代でも、鹿島神宮や香取神宮、あるいは筑波山などの近くにその名称が残っています。この本では現代も続いている神話の世界を身近に感じることができます。

<目次>
第1章 日本を目指す太陽信仰と日高見国(人々が「太陽の出る国」に向かった時代/中国や朝鮮以西の地域から来た人々の多さ ほか)
第2章 縄文文明と「神世七代」日高見国(高天原は関東にあった/竪穴住居による人口の密集 ほか)
第3章 イザナギの系譜と国譲り(イザナギとイザナミによる「国生み」と人口増加/西への備えが必要になった日高見国 ほか)
第4章 日高見国から大和国へ―天孫降臨(天孫降臨はフィクションではない/ニニギノミコトによる天孫降臨 ほか)
第5章 大和政権の確立(崇神天皇(第十代)/景行天皇(第十二代) ほか)

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