算数と数学の違いを、ていねいに説明し間違いやすいポイントを解説しています。小学生や中学生に算数や数学を教える時や、「因数分解」「関数」「2次方程式」ってなんだっけという時に読み返して理解するのに役に立つ本です。
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算数と数学の違い
算数は具体例を挙げてそこから考えることが多く、数学は使う用語をきちんと定義して思考し議論するようになります。たとえば、算数でも数学でも速さは距離(道のり)÷時間で求めます。数学ならば方程式に当てはめて答えを導き出すことができるので、ひとつの式からいろいろな式を導きだすことができます。しかし算数では速さを求める時は「速さ=道のり÷時間」、道のりを求めるときは、「道のり=速さ×時間」、時間を求めるときは「時間=道のり÷速さ」とそれぞれ別の式として学ばなくてはいけません。
算数でも数学でもいちばん大事なこと
算数と数学は学ぶ子供の発達の程度とそれによる数範囲の違いや文字の使い方の違いで別のもののように見えるかもしれません。算数も数学も今まで学んだ範囲のものを使って、いろいろ工夫して問題を解決することには変わりはありません。「なぜそのようになるのか」と原因を考え、結果を予想して、その過程を正しくすることが大事です。
方程式の丸暗記でなにげなく計算をしていましたが、こどもに「なぜそうなるのか」を聞かれると答えに苦しむことがありました。この本では算数と数学という視点でわかりやすく解説しているので、小学校のテストの答えを求める時に、なぜそんなめんどくさい式で勉強しているのかと思っていましたが、この本を読んで理解しました。社会に出ると仕事などでも「なぜそうなるのか」「もっとよくなることはないのか」など、壁にぶつかりますが、今、知っている知識を使って、未知のことを明らかにしていくというのが、算数と数学なのですと教えています。
<目次>
第一章 算数と数学の違い
第二章 正の数・負の数
第三章 正の数と負の数の加法と減法
第四章 正の数と負の数の乗法と除法
第五章 文字式
第六章 1次式
第七章 1次方程式
第八章 比例と反比例
第九章 連立方程式
第十章 関数
第十一章 因数分解
第十二章 無理数
第十三章 2次方程式
第十四章 2次関数
第十五章 平面図形
第十六章 合同と相違
第十七章 空間図形
第十八章 立体の表面積と堆積
第十九章 確率
第二十章 証明の仕方
第二十一章 三平方の定理