一流の哲学を学べます

人生を楽しむ本

人生で真剣勝負をした人の言葉は、詩人のように光る。まさしく心が熱くなるような宝の言葉に溢れています。

1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書 [ 藤尾秀昭 ]

<365人からの抜粋>
独立自尊の商売人になれ 柳井正
事業というものは早い者勝ちで、ほとんどの人が同じようなことを考えており、百人いたら99人は本気で実行していない。一般の小売業の人は自分のリスクを他の人に転嫁することでリスクを免除してもらおうとしているので、当然リスク料が商品に加算され原価が高くなり儲からないのです。自分で計画して、自分で実行して反省し、この次はどうするかを自分のサイクルで回すことです。人の指示で回されるほど、おもしろくないものはないのです。

運と勉強 渡部昇一
ある英語の老大家の先生より「英語学はイギリスよりドイツの方が50年進んでいる」と言われ、英語の比重が重い中、大学院に進んでもドイツ語の勉強はやめなかった。続けていくうちに、たいへんな作業を簡単にやる方法はないかと古本屋で見つけたスマイルズの「Self-Help」のドイツ語訳の本。並べながら毎晩10〜15分ぐらい読んでいました。大学院を卒業し助手になり、ある雑務でドイツ語を訳してくれと渡された雑誌。それを見たら不思議なことに昨夜読んだ「Self-Help」にあった、普通には訳せない難しい接続詞がそこに出ていたので、完璧に訳せることができたわけです。すると、そこでドイツの留学が決まってしまいました。6年以上誰からも褒められずぽつらぽつらやっていて、ゆうべ見た単語が出されたことは確率では説明できませんが、地道な努力は不思議な具合に偶然繋がって生きてくるのです。

質問の手を挙げたら昇格 岩井虔
松下幸之助さんは「わしは創業時から従業員によう話をしたもんや。その後で時間があれば‘何ぞ質問はないか’と聞くようにしていた。そしてパッと手の挙がる従業員の名前を覚えておく」と言われました。「覚えてどうなさるのですか」と聞くと「昇格」とおっしゃったのです。「質問ないか」と言った時に、これを絶好のチャンスと受け止めて行動で示せる、そういう逞しい人材を後継者にせずして会社の発展はないと言うんです。

<レビュー>
鎌倉時代末期の有名な刀鍛冶、正宗は跡を継がせるためテストを重ね、二人の弟子が残りました。村正と貞宗です。小川に二人が鍛えた刀を垂直に立て、上流から藁を流しました。すると、藁は村正の刀に吸い寄せられるように寄っていき、刀に触れるか触れないかの間にスパッと切れました。貞宗の刀にも藁が流れていき、引っかかりました。しかし、引っかかったままで斬れません。そして正宗が貞宗の刀を流れからスゥッと引き上げると、引っかかっていた藁がはじめて斬れて流れていきました。正宗はこの結果から貞宗が鍛えた刀のほうが優れていると評価したのです。正宗はなぜ、貞宗の刀に軍配をあげたのか。村正の刀は斬ろうとしなくても斬ってしまう。貞宗の刀は斬ろうという意思を働かさなければ斬れない。斬ろうとしてはじめて斬れる。これこそ武士の持つ刀である、と正宗は考えたのです。武士は人を斬るために刀を持つのではありません。天下国家を治めるために持つのです。同じ一流の二人の刀の優劣の差は、人格の香りという微妙な価値を評価する哲学を備えていた正宗こそ、一流中の一流と言うべきでしょう。この本では、このような真剣に生きた一流の方々の深い言葉が掲載されており、エネルギーがふつふつと湧いてくる、心の教科書です。

<目次>
1月(人生の闇を照らしてくれる光(五木寛之(作家))/人生で一番大事なもの(稲盛和夫(京セラ名誉会長)) ほか)
2月(一ミリの努力、一秒の努力の積み重ね(井村雅代(アーティスティックスイミング日本代表ヘッドコーチ))/質問の手を挙げたら昇格ー松下幸之助の判断基準(岩井虔(PHP研究所客員・元専務)) ほか)
3月(昨日の敵は今日の友(篠沢秀夫(学習院大学名誉教授))/人生を変えたロングフェローの詩(長野安恒(声楽家)) ほか)
4月(仏道は待ちて熟さん(松原紗蓮(浄名寺副住職))/分はあってもその任にあらず(濱田総一郎(パスポート社長)) ほか)
5月(ディレクターズチェア(岡本喜八(映画監督))/命の手応え(加藤淑子(元レストラン「スンガリー」経営者)) ほか)
6月(自分が納得のできる料理を出せ(村田吉弘(菊乃井三代目主人))/万事困難は己の心中にあり(上柿元勝(オフィス・カミーユ社長)) ほか)
7月(バーベルが挙がる条件(三宅宏実(重量挙げ女子日本代表))/人間の究極の幸せは四つある(大山泰弘(日本理化学工業会長)) ほか)
8月(物事を成就するには狂を発揮せざらん(佐藤幸夫(シリウスグループ代表))/肉体と魂を悲哀の餌食とせず(秦恒平(作家)) ほか)
9月(真珠王・御木本幸吉の信念(松月清郎(ミキモト真珠島真珠博物館館長))/身を挺し研修生を救った木鶏の仲間(櫻井健悦(ケイ・エス代表取締役・石巻木鶏クラブ会員)) ほか)
10月(人生の大病は、傲の一字にあり(井原隆一(経営評論家))/年は八十でも心は十八(清川妙(作家)) ほか)
11月(すべての人が「お得意さん」(谷口全平(PHP総合研究所参与))/きつい時こそ一歩前に出る(坂本博之(日本ライト級元チャンピオン)) ほか)
12月(企業の価値は永続すること(塚越寛(伊那食品工業会長))/人生最大の後悔と悲しみを乗り越えて(山本昌作(HILLTOP副社長)) ほか)

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