「あの人は器がでかい人だ」とか、「あの人はとても器量がいいですね」と言いますが、はたしてその器や器量といったものは、具体的に人間のどんな部分を指すのか。またどうすればその器や器量は大きくなるのか。本書では納税日本一にもなった斉藤一人さんから学び、著者自身も事業家として成功した体験を通して「器」とは何かのかをまとめています。
秘蔵のテクニックがあるわけではない
ノウハウを学ぶことで仕事がうまくいくこともあります。また、交渉がうまくいく技術や、人を口説くためのテクニックもあります。しかし成功し続けて、なおかつ多くの人に支持され愛され続けるためには、ノウハウや技術、テクニックといったものを超えた、その人の人間としての力量、つまり器量が問われると思います。
できることが多くなること
人が究極に求めるものは、「しあわせ」です。しかしその幸せも、人によって感じ方が違ったり、求める「かたち」が違ったりします。しかし、感じ方が違っても、できることが少ないよりは多い方がより幸せになれるのではないでしょうか。たとえば人に嫌われるより愛された方がいいし、仕事もできたほうがいい、お金もないよりあったほうがいいです。できることが増えれば増えるほど、選択の幅が広がります。「わたしはこれしかできません」という人生よりも、「私はこれもできますが、あれもできます」と言えるほうが、より幸せな人生と言えるのではないでしょうか。
魅力と器の大きさは比例する
「器が大きい人」というのは、選択の幅が広くてできることが多いだけではなく、「考え方」も大きな人です。物事を大きな視点でとらえるので、その人に起こった出来事は他の人と同じでも、とらえる側面が違ってくるので、おのずと出てくる結果も違ってきます。小さいことでくよくよせず、悩んだりすることもありません。他の人から見てもすごく魅力的に見えます。普通の人はできるだけ税金を少なくすることを考えますが、器の大きな人は納税することで日本が豊かになり、雇用も生まれて、お客さんが増えるから、結局お得になると答えます。視点が全く異なります。
魅力的になるためにはただ外面的な美しさやカッコよさだけではなく、内面的にも魅力的でなければなりません。また、健康であることも必要ですし、経済的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさも求められます。こうして考えると、魅力とは人間の一側面のよさだけではなく、さまざまな側面が優れていて、人間としての全人格的な要素が問われるものだとわかります。つまり真に魅力的な人とは、人間的に大きく、さまざまな側面において優れている人であり、それを言いかえれば器が大きい人、器量のある人と言えます。
<目次>
第1章 “器”を大きくすることが人生の目的
第2章 一人さんに学んだ、“器”を育てる方法
第3章 器を大きくするための修行の日々
第4章 誰でも“器”を大きくできる!