日本の「根っこ」の部分を知る良い本です

歴史・哲学の本

2006年に英国のBBC放送が、世界33カ国、約4万人を対象に世論調査を行なった結果、「世界に良い影響を与えている国」として、トップに挙げられたのが日本でした。その後も上位をキープをしているのですが、一部マスコミではお隣の中国と韓国の否定情報を喧伝していることもあり、日本人自身の自国に対する肯定的評価は43%となっています。韓国でもこの年は64%と肯定的評価となっています。

なぜ、日本は海外で高い評価がを得ているのでしょうか。

日本を訪れた外国人が一様に驚くのが、日本人が親切で礼儀正しいことです。上流階級の教養ある人々が示す思いやりやマナーを、日本人では一般大衆が示しています。何気ない雨の日の渋谷ハチ公広場前のスクランブル交差点での一コマでも、そのことがよくわかります。ぶつかったり、押し合ったりせず、規則正しくゆずりあって滑っていく、これだけの傘が集まれば、そのような光景はよその国では見られません。お互いに「すみません」という、他の人のことを思いやり、全体の一つの秩序を生み出している日本社会の見事な象徴であり、「大いなる和の国」を多くの外国人が感じ取っている結果でしょう。

海外に行くと、「日本はどんな国ですか?」と聞かれます。

こんな質問を受けた時に、「日本」について何をどう話したらいいか困惑してしまいます。一つの語り口は歴史を通じて国を語ります。
たとえば、日本の建国は遥か太古のことで、8世紀に書かれた歴史書(古事記、日本書紀)には紀元前660年とされ、その時代に初代神武天皇が即位し、それから現代の天皇第百二十五代まで脈々と続く世界最古の王室をもつ国です。

多くの日本人は「1868年に明治維新」というような「客観的」な知識ですが、これだけでは会話になりません。明治維新を語るなら、江戸時代がどんな国で、その後の近代化がどう進んだかというような大きな流れを語らないと「話にならない」のです。

日本文明と中国文明の違いは?

海外で「日本は中国は日本の一部なんだろう」という質問を受けたそうです。たしかに日本では漢字も使用しているし顔も近いので、専門家でもない限り中国から別れた民族だと思われても仕方がないとおもいます。わかりやすい違いの説明として、料理で例えています。

「日本料理と中国料理を食べ比べてみればわかります。日本料理の例えば寿司を知っていますか。魚やエビ、タコなどの海の幸の様々な素材を生のまま、それぞれの独特な味を楽しめます。しかし中華料理は何にでも熱を通して加工してしまいます。見た目の美しさも最大限に活かして楽しむ素材の多様な個性を生かしながら総合的なハーモニーを生み出す。これが日本の文明です。」というような自分なりの言葉で説明することが重要になります。

この本をきっかけに、日本の「根っこ」のことをもっと学びたくなりました。

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