最後の一行で物語の意味を知る

小説

たった140文字の中に物語は存在します。恋人と別れた切ない思い出がふと蘇る瞬間だったり、楽しいことになるはずだったはずが残酷な結果に変わる。最後の一行で感動に変わったり、真実を知ってしまったり。いったりきたりの人とのすれ違いに溢れた物語です。

最後は会ってさよならをしよう(1) [ 神田 澪 ]

人生のやり直しボタン
誰もが失敗をしたり、こうすれば良かったなどやり直したいと思うことが必ずあると思います。そんな時、人生のやり直しボタンが欲しいと思っていたのに、本当に欲しかったのはそのボタンではなかったんです。

幸福な日々
プロポーズされて、子供にも恵まれた幸せな日々。ふと「ママ、何か飲み物ある?」と言われた瞬間に言葉にできない寂しさで胸が詰まってしまった。最後の一行で女性の心理を知るのです。

義理チョコ
「今年から義理チョコを配るのをやめます」と同僚から宣言された。でも帰り際に僕の机に「チョコです」と紙袋を置かれた。最後の一行がキュンとしてしまう結果に。

ひどい彼氏
「結婚しようねって約束したじゃん・・・」彼女は大粒の涙を流したが、僕は何も言い返せない。付き合った時はまだ制服を着ていたが、大人になってから彼女が泣くのを見たのは初めてだった。最後の一行を知ると、もっと泣きたくなる。

<レビュー>
140文字でひとつの物語のイメージ感や情景が浮かぶなんて、洗練されてすごいと思います。感情もすっと入って、その主人公の気持ちになれる。そして良い意味で最後に裏切られて「え〜」と意味が解る。心にグッと刺さります。本をふだん読まない人にもおすすめの小説です。

最後は会ってさよならをしよう(1) [ 神田 澪 ]

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