考えるという行為にはとんでもない突破口があります。考えることはお金に関係なく、地位や立場に関係なく誰にでもできる武器となります。本書の「考える」は「目的を達成するために考える」ことを指し、課題ややりたいことを達成するための思考です。そんな「思考=考える」を効率的にわかりやすく解説しています。
パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法 [ 柿内 尚文 ]
考えるには「広げる」「深める」ことがあります
「広げる」とは、可能性を考えていくことで今まで存在しなかったものを生み出したり、新しい価値をつくっていくことです。「深める」とは、本質的価値を考えていくことです。たとえば、紙の手帳はデジタル化によって減っていくものと思われていました。糸井重里さんが開発した「ほぼ日手帳」はスケジュールを書き込むだけでなく、「こんなのがあったらいいぞ」からはじまり、何かの考えを書き込み、日記を書き込み、ノートとしても使うなど手帳の枠組みを超えた本質的な価値「LIFE」をコンセプトにしました。また、「広げる」こともやっていて、手帳のカバーやアーティストとのコラボ、楽しみ方の事例を紹介するなど、自分らしい手帳を提供することで成功しました。
「考える」と「思う」は別物
好きな人がいる場合、「デート楽しかったな」など、つい考えていることはあると思いますが、この場合の「考えている」は「思う」です。「思う」は頭の中に浮かんでくることを感じているのであり、「考える」は目的のために意識的に思考することです。「一生懸命考えたのですが、答えがまったくわかりませんでした」は、「考えている」のではなく、「思っている」ことがほとんどです。また、「知っている」ことを「考える」と勘違いしているケースもあります。「プランを一生懸命考えました!」は、よく見ると調べたものをまとめただけということがあります。
さらに「論理的」と「非論理的」がある
会社から自宅に帰る場合、目的によってどの道で帰るかが違ってきます。「最短で帰りたい」「夜道がくらいから、明るい道を選びたい」など、どれも論理的に考えて帰路を選択します。一方でまったく新しい商品を世に生み出すときは、「論理的に考える」では壁にぶつかってしまうことがあります。過去のデータを活用する場合、「データがないと決められなくなる」ということがおこり、いつも2番煎じとなり、新しい発想が生まれなくなります。データはあくまでも「過去」の情報であり、「考える」は未来にベクトルが向いています。今までにないものを「考える」場合は、非論理的に考えることも必要です。
これから10分間、だらっとヒマつぶしの動画を見るか、それとも社会のために自分ができることはなにかないかを考えるか、それだけで人生は大きく変わるはずと著者は説明しています。そして、それを行動に移していくかが、未来をつくります。仕事に追われて自分の好きなことができない場合、どうしたら好きなことができるかを考えてみましょう。そして考えたら、行動が重要です。その時のポイントは、失敗しても大損しないことから徐々に始めることです。
<目次>
第1章 「考える」について最初に知ってほしい3つのこと
第2章 「考える技術」で未来は変えられる
第3章 「考える技術」を思い通りに使いこなす
第4章 頭の中をクリアにする「思考ノート」のつくり方
第5章 「考える技術」がさらに上がる習慣