戦前の日本人が学んでいた「十八史略」

歴史・哲学の本

戦前の日本人は東洋の知識の共通項として、もっとも便利で有力だったものの一つが「十八史略」でした。「十八史略」に出てくる有名な表現とその元となった話を知っていることは、精神を「大人として成熟させる」ために大いに役立ちます。「新日本製鉄は宋襄之仁(そうじょうのじん)でしたね」といえば意味がわかったのです。

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<まえがきより>
精神成熟の書
戦前の文人の書いた論文や随筆などを読んでいると、「十八史略」を踏まえた表現が実に多い。それは欧米人の書いたものに、聖書に基づく表現がそれとなく入っていることが多いのに似ています。日本であろうが西洋であろうが、精神の成熟のためには古典を読むことが重要なのです。

知らないと武士として落第でした
人々の教養の共通項となる知識としても古典に出てくる有名な事件や格言的表現は実に重要で、そういう表現の通ずる人たちの間には独特の知的連帯感が生まれます。旧幕末時代でも「十八史略」に出てくることへの言及がピンとこないような人間は武士としても落第でした。現代の日本人に昔のように漢文のために時間を割くことに期待することはできないでしょう。しかし、「十八史略」に出てくる有名な表現とそのもととなった話を知っておくことは、精神を「大人として成熟させる」ために大いに役立ちます。

時代により表現の変化
実は漢時代の前と、それ以後には大きな違いがあります。漢の時代までの叙述には面白い比喩などがふんだんにあるが、その後の時代は、立派な教訓は多いが、面白いのは稀である。これは、後漢の末期に人口の八割ぐらいが入れ替わっているからだと思われます。シナ大陸の場合、漢文という表意文字を採用し、しかもそれが奏という古い時代に大整理されてしまいました。その後、人種が変わっても、表記法はそのままなので、人種までそのままという錯覚をおこしやすいのです。

<レビュー>
「十八史略」は、宗の末、元の初めごろに、曾先之(そうせんし)という人が編んだ書物です。この本は、初学者が比較的簡単に興味をもちながら歴史を学び、また、歴史の教訓を学べるように、十八の歴史書の抜粋によって構成されています。そのため、日本国中ほとんどすべての藩が教科書として使用していました。聖人・名君・英雄などの伝記に簡単にふれ、故事格言をとりあげています。この本ではさらに著者の渡部昇一さんが現代の別の例え話も加えて解説しています。たとえば、「有文事者 必有武備有有」(軍事の裏づけのない外交は弱いものである)では、拉致問題がなぜ解決できないかというと、日本の外交の弱点は「武備」のほうを除いて交渉しているからと説明しています。まともな交渉ができない状況にないのに交渉するには、金をばら撒いて機嫌をとるぐらいしか方策がなく、ますます悪い状況に向かっているのです。

<目次>
第一章 聖人君子の時代
第二章 勝敗と敗者
第三章 知恵者たち
第四章 強者対弱者
第五章 逆転の発想
第六章 野望のゆくえ
第七章 適材適所の妙
第八章 天下を治める方法
第九章 勇者たち
第十章 三国志の人物学
第十一章 天才参謀の処世訓
第十二章 創業と守成
第十三章 文と武
第十四章 「十八史略」の教訓
第十五章 歴史は人を育てる

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