神話から学ぶ日本人のための日本の歴史

歴史・哲学の本

日本には文献が豊富に残り「古事記」や「日本書紀」も現存しています。ところが日本は戦争に負けたことで、教科書には天皇に関する記載が第二十六代継体天皇からだったり、神話の起源などが記述されなくなりました。いまこそ日本人にしか見えない虹を見よう。

渡部昇一の少年日本史 日本人にしか見えない虹を見る [ 渡部昇一 ]

神話が無視されている日本の教科書

日本の教科書は考古学から始まるのが一般的になりました。記述も旧石器時代・縄文時代・古墳時代というように始まり、神話はいっさい無視されています。そして海の向こうでかかれた文献「魏志倭人伝」に日本がどう書かれているかが問題にされ、卑弥呼や邪馬台国に関心が集まっています。

「魏志倭人伝」のニュースソースは噂話?

「魏志倭人伝」の作者は海の向こうの野蛮国という先入観があります。そのため「邪馬台」の台は「と」と読めますから「やまと」に「邪」という悪い漢字を使っています。「卑弥呼」というのも、日本人からみれば天皇のことを「日の御子」と呼んでいました。そこに「卑」という字を使用し、日本の神話で天照天神という女神がいたと伝わっていたので、女王の卑弥呼になったのでしょう。ですので、戦前の日本の歴史家は誰も「魏志倭人伝」を取り上げていませんでした。

神話の時代から王家が続いている日本

文明国ではギリシャでも神話の時代は途絶えています。しかし、いまも日本は神話時代に根を持つ王朝が絶えることなく続いています。そのため、神話を省いてしまうと日本の歴史のいちばん中心にあたる部分が理解できなくなってしまうのです。明治時代に帝国大学ができた時にはちゃんと神話と歴史の講義をしていました。

著書は神話(文献)と遺跡を裏付けしながら日本史を解説してるので、なぜそのようなことがおこったのかも納得ができました。神武天皇の人種平等思想「八紘一宇」の精神で、ベルサイユ条約での人種の平等を唱えたことや、戦時中にユダヤ人を救った日本人なども「八紘一宇」の精神が生きていることにも驚きでした。本当に日本はすごい国だということがわかります。いままで日本史が苦手な人にぜひ読んでほしいです。

<目次>
序章 日本人にしか見えない虹を見るー歴史の見方
第1章 神話と歴史が地続きになっている国ー神代・古代
第2章 遠い祖先たちが生きていた古代日本の姿ー古代
第3章 武士政権の誕生と荒ぶる天皇の逆襲ー中世
第4章 信長・秀吉・家康の時代から江戸幕府の興亡へー近世
第5章 新しい日本の創生と欧米列強の圧力ー近代/第6章 日本の底力を見せた戦後の復興ー現代

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