情報があふれる現代で、みんなが見ているテレビ番組や動画を見たり、トレンドを追って服や小物を買うことは、悪いことではありません。でも、自分に似合った洋服を着こなしていたり、その人らしいインテリア小物に囲まれている、熱中できる趣味を持っているような、そんな素敵な方はいませんか。そんな「自分らしい」生き方をするための「感性」を養ってみましょう。
感性には正解はありません
自分に似合うものや自分だけの価値、自分に向けられた気持ちや、自分が好きになれるものはすべて、正解はありません。目に見えない価値を感じ、正解のないことを選び抜ける力こと、「感性」です。でも自分にはそんな「能力」や「才能」はないと感じてしまうことと思います。ですが、感性は特別な人だけが持ち得るものではありません。
感性を高める5つの「習慣」
感性には「観察する」「整える」「視点を変える」「好奇心を持つ」「決める」の習慣によって身につけることができます。お金をかけなくても、日々の暮らしを少し変えるだけで、しぜんと「感性」が養うことができます。
「感性」とは、感じ、吸収し、蓄積すること
たとえば、印象派としても有名なポール・セザンヌという画家の代表作「リンゴとオレンジのある静物」という作品を美術館で見たとします。意識せずにただ眺めるだけでは、「リンゴとオレンジの絵だな」というようにしか受け取れません。ですがよく観察すると、遠近法が狂っていて、わざと中央にあるりんごに目を向けてもらうように描写されています。「あぁ、リンゴだ」と単純に思う人もいれば、画家の意図を感じ取り、深く感銘をウケる人もいるでしょう。そのためには、細部まで観察する視点や、刺激を受け止める心、作品に対する興味、知識が備わっていなければ、深い気づきは得られません。つまり「感性がある」というのは、「外からの刺激を深く感じ取り、それを吸収、蓄積し、自分軸で価値判断できる能力が高い」ということになります。
今まで気づかなかったことに気づくには、解像度を高め、そこに隠れた意図や違和感に気づくことです。トレンドを追っても、本を読んでも養われるものではありません。朝起きて、すぐにエアコンとテレビをつけるのではなく、窓とカーテンを開けて部屋の空気を入れ替えてみる。気温はまだ高いのに、鳥の囁きや虫の音、香りも季節で変わることを感じます。するとこの香りは何なのか?何の虫の音なのかなど気になってくるでしょう。見たことない植物が庭に生えていることに気づき、雨が降ってくると苔が鮮やかな色になっていることに気づきます。この本を読むとそういうことが大事なんだと思いました。
<目次>
序章 感性を養う「5つの習慣」
第1章 感性を養う「観察する習慣」
第2章 感性を養う「整える習慣」
第3章 感性を養う「視点を変える習慣」
第4章 感性を養う「好奇心を持つ習慣」
第5章 感性を養う「決める習慣」