この本には「カップやきそばの作り方」について書いてあります。それ以外は書いていません。何ら実用性もありません。深い洞察があるわけでもありません。でも、国内作家、歌手やエッセイスト、歴史上の人物や人間ではないものなど合計百十人が個性溢れる内容が掲載。ふっと笑みがこぼれることでしょう。
もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら (宝島SUGOI文庫) [ 神田桂一 ]
松尾芭蕉/麺の細道
キッチンや 薬缶飛び込む水の音
熱湯を 集めて流し 湯ぎりかな
閑さや 部屋にしみ入る 啜る音
から容器 大食いどもが 夢の跡
ペヤングやきそばの場合(本物)
<調理方法>(1)外装フィルムを剥ぎフタをAからBの線まではがし、ソース、かやく、ふりかけ・スパイスを取り出します。(2)かやくをめんの上にあけ、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをします。(3)3分後、Cの湯切り口を矢印の方向にゆっくりはがします。(4)カップの☆の部分2ヶ所をしっかり持ち、ゆっくり傾けながら湯切り口よりお湯をすてます。(5)フタをすべてはがし、ソースをよく混ぜ合わせ、ふりかけ・スパイスをかけて召し上がりください。
それぞれ、やきそばに対する思いや、焼きそばなのにお湯入れるだけで焼いてないじゃんなど、愛のあるツッコミがあったりします。私の場合、今の進化した湯切りが無かった30年くらい前でしょうか。お湯を捨てる時にフタを押さえていたのにもかかわらずパカっと開き、誤って排水溝に麺を流してしまった経験があります。お湯も熱いので途中で「あっ」と叫ぶもののどうにもなりません。さらに運悪く排水溝には生ゴミも溜まっていました。今でもカップやきそばを作るときにその時の記憶がよみがえり、緊張がはしります。だからおいしいのにちょっと苦手です。そもそも説明書をまじまじとこんなに読んだのは初めてでした。
<目次>
太宰治、村上春樹、コナン・ドイル、星野源、松尾芭蕉、正岡子規、糸井重里、夏目漱石、又吉直樹、尾崎豊、ヒカキン、稲川淳二、ナンシー関、他