「もっと頑張れ」の意味を共有する仕組み

知識が広がる本

「毎日、こんなにがんばって働いているのに、どうして数字がのびないのだろう」と不思議におもっていたが、ふとした若手社員との会話でわかりました。それは言葉の定義が会社で共有されていなかったからでした。社員教育で組織が変わり、お客様から評価されるまでに人を育てる212の言葉が掲載されています。

成長する会社の朝礼 組織が変わる212の言葉【上巻】 [ 小山 昇 ]

あのマットをめくってきなさい
株式会社武蔵野はダスキンの代理店を主業務としています。ある時、営業訪問の帰りに商業ビルの玄関マットにふと目がとまり、若手社員に「あのマットをめくってきなさい」と命じました。すると彼は不思議そうな顔で玄関まで小走りに駆けて行き、マットを文字通りにめくりあげて、「これでいいですか?」と言ったのです。腰が抜けそうになりました。「めくる」とは、業界では「ライバルからお客様を奪う」という意味だからです。

「もっと頑張れ」の意味
管理職が部下に「もっと頑張れ」と説教をする。部下は神妙な顔をして聞いていて、「もっと熱心にやる」ことだという意味に捉えていた。しかし、管理職としては「前月より多くを売り上げろ」という意味で言っている。月末には、「なんだ、頑張っていないじゃないか」と叱ると、部下としては「前月よりも熱心に仕事をしていたのに」と反発する。お互いに不信が生まれ、仕事も職場も楽しくなくなります。これでは成績など伸びようもありません。これは言葉の定義が共有されていないことによる悲劇です。

ブレがないから同じ方向を示せる
わが社の社員は「頑張ってますか」と訊かれたら、成績のことを問われているなと一人の例外もなく即座にそう理解します。そして、「はい、これこれの結果を出しました」と答えます。成績を上げていない社員もいるし、さぼっていることをごまかす人もいますが、大きな問題ではありません。これがわが社の「強かさ」の源です。社員一人ひとり、言葉の解釈のブレがないことを意味するからです。なにか方針をしめせば、全員が一斉に同じ方向に力を出すことができるのです。

欠点をとりのぞくとなくなる
欠点がある状態をゼロとすると、中小企業がどんなに頑張ったとしも、せいぜい0.6とか0.7くらいでしょうか。それが経営の武器になるはずはありません。すでに20とか30の状態にある長所を伸ばすほうに力を注いだほうがよほどよい。むしろそうしなければライバルとの戦いに負けます。欠点は、往々にして自社の活力源でもあります。

社長の方針を嫌々ながらも実行
わが社には早朝勉強会を始め、各種勉強会や発表会、環境整備や地域貢献活動など業務とは関係のない事柄があります。それらは高いモチベーションを持って参加している・・・、はずは当然なく、一人残らず「嫌々ながら」仕事をしています。なぜ、逆らわずにやっているのかは、活動の参加状況や成果は社員評価と連動しているからです。当然やらせるからには、チェック項目が定期的にあり評価をします。仕方なく嫌々ながらも手を動かし、取り組むことで本人も成長していくような、仕組みがあることで、経営の差、売り上げの業績の差につながるのです。

成長する会社の朝礼 組織が変わる212の言葉【上巻】 [ 小山 昇 ]

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