お笑い芸人養成所のネタの発表会では、2分でネタ見せを行い評価が決まります。それまでどんな努力をしてきたか関係なく、短い時間のなかで「自分たちがおもしろいかどうか」「お笑いの世界で通用するのかどうか」がはっきりとわかってしまいます。しかし、実は持ち時間は2分あっても、評価するには2分必要ないことがほとんどです。大抵は「たった1秒」で評価が決まってしまうのです。
1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術 [ 本多 正識 ]
お笑い芸人は1秒の世界
お笑い芸人は1秒で「おもしろそう」と思わせなければ、チャンネルを変えられてしまいます。「ネタそのもの」「話し方」「立ち振る舞い」「姿格好」など、どんなことでもいいので、「もう少し見てみたい」「なんか聞いてみたい」とお客さんに一瞬で思わせなければいけないのです。
頭の回転の速さは後天的に身につく
最初から頭の回転が速かった「天才型」の芸人は極めて少数派です。多くの人気芸人が訓練に訓練を重ねて、それでも諦めず、頭の使い方を少しずつ覚えていったのです。ですので、才能ではなく、訓練によって身につけることができる後天的な能力なのです。
活躍の場が増加した芸人
かつては破天荒枠としてお笑い芸人にオファーがきていましたが、今では番組の調整役としてオファーがくることが多くなりました。芸人の頭の良さが買われてのことです。「笑い」について考えるのと同じように、さまざまなことに対して答えを出し続けることができるからこそ、お笑い芸人の今の地位ができたのです。
<レビュー>
この本ではお笑い芸人の頭の働かせ方について、48レッスン、解説とともにトレーニング方法が掲載されています。「常識を起点に非常識をつくる」「オリジナリティを求めない」「思考に締切を設ける」「分けて考えて整理する」「好き嫌いを理解する」「自分のできることを理解する」「知識がない人にもわかるように話す」「発想するときは論理的に考える」「2種類の準備を使い分ける」など、これらは実際に芸人志望者たちに教えている内容ですが、実際にはビジネスにも生きてくる内容ばかりです。
1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術 [ 本多 正識 ]