徳を積めば運から近づいてくる

歴史・哲学の本

2025年致知4月号
特集 人間における運の研究
渡瀬昇一氏は幸田露伴の「努力論」から幸福三説こそ、運をよくする心得として、惜福・分福・植福をあげている。惜福とはたまたま自分に与えられた福を使い尽くし、取り尽くしてしまわない、ということ。そういう人に結果として福が回ってくるようだ。というのである。分福とは自分にきた福を独り占めしないで人に分け与えるようにする。この分福により、より大きな福がくることになる。植福とは、例えば裏山に杉の苗木を植える。杉が大きくなる頃、自分は老いて死んでいるかもしれないが、子孫に役立つこともあると思って木を植えておく、ということ。この工夫があれば運がめぐってくる可能性が高いようだと語っています。また「神さまは陰気な人、人のせいにする人は嫌いである」とも述べています。

勝運を掴む
岡田武史氏 小久保裕樹氏
岡田 Jリーグ発足した時に、外国人監督やコーチから「どうして日本の選手はこんなに指示を仰ぎにくるんだ。自分で判断するのがサッカーだろ」と散々言われたんです。「スペインにはサッカーの型があるが、日本にはないのか?」「スペインでは、まず原則という型を十六歳までに十分落とし込んだ後で自由にするんだ」と。日本では自分で判断できる選手を育てなければと考え、十六歳まで自由にやらせて、高校から戦術を教え始めていました。それで日本人もそういう育成をしたら自立した選手がもっと育つのではと考え、岡田メソッドをつくり上げたのです。
岡田 FC今治の代表になった時に、経営者の方々のアドバイスで、ビジョン、ミッション、理念、そういうものを大事にしろと口を揃えておっしゃいました。それて、「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念をあげたら、共感してくれる優秀な人が集まり、お金を出してくれる人も出て、すべてが動き始めたんです。
選手には自分はこうしたいというものを絶対に持たなければいけませんと伝えています。それが主体性ですね。そして、多様性を受け入れること。共通の目的のために落とし所を探り、勝つという共通の目的のためにお互いを認め合わなかればいけない。自己主張を通すだけではダメなんです。仲よしだけでもダメで、勝つチームは一体感を目的にすると失敗する。共通の目的は勝つことで、そのために互いに認め合う。勝ち始めるとどんどん一体化していくんです。

小久保 現役時代にお世話になったメンタルトレーナーの方から、寝る前に「よかった、ありがとう」ということを思いなさいと指導を受けました。たとえその日が4安打4三振でも、布団に入ったらよかったことで頭を満たしなさい。「三日前のホームランはうまく打てたな」でも、「今日食べたケーキは旨かったな」でも何でもいい。一日の最後によかったことを頭に浮かべて「ありがとう」と感謝の念を抱いて眠りにつくと、睡眠の質がものすごく上がり体の疲れが取れるんだと。それで日常の中のアンテナを立てるように意識し始めたら、よいことがどんどん引っかかるようになりました。
小久保 不本意な出来事があった時に、それをどう捉えるかで人生は大きく変わってきます。起きた事実は変えられません。でもそれをどう受け止め、どう生かしていくかで運は左右されると思うんです。上手くいかなかったことに対してネガティブな思いを払拭できない人は、運が向いてきません。船井先生の「エヴァへの道」の本に「人生に起こることはすべて必然で必要だ。しかもベストのタイミングで訪れる」と書いてありました。調子がいいときに大きな怪我で試合に出れないことも、意味があると思いしっかり前を向くことができました。

<レビュー>
小さい時に読んだ絵本のお話です。お金にこまり魔女の家に出稼ぎにいくことになった女の子は、途中で誰も助けてくれずに困っていたパン釜?や乳牛やリンゴの木を見て見ぬふりはできず、助けながら出稼ぎの家に働きに向かいました。何日か働いたある日、けっして見てはいけないと言われていた煙突の中をみてしまったのです。するとお金が入った袋が落ちてきました。そのままそのお金を持って逃げるのですが、なんと途中で助けたりんごの木や乳牛やパン窯が追いかけてきた魔女から守ってくれたのです。内容は泥棒だし、魔法で捕まえればいいの走ってくるしとおもいつつ、徳をつんでいたことで女の子は助かりました。見返りを求めず、徳を積むことで助けてくれる。運がよってくるというのを、絵本で学んだことを思い出します。

致知は読むには書店では売っていないので、定期購読が必要です。
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