私たちを取り巻くビジネス環境は、かつてないほど激変しています。その対策としてさまざまな努力を続けているのに、うまくいかないと悩んでいる方がたくさんいます。イメージとして、身体のどこかが痛んで痛み止めの薬を飲んだ場合、痛みは取れるかもしれませんが対症療法だけでは再発する可能性があります。痛みを発生する根本治療をしなければ、本当の治療にはなりません。この本では、根本的に解決を目指しています。
さまざまな努力をしているけれど
・売り上げがじりじりと下がっている
・新しいお客様が獲得できない
・今までのお客様が、離れていってしまう
・期待の新商品、新サービスの反響が小さい
・今まで順調だった広告が効かなくなってきた
多くの方は、これらを売れない問題として認識しています。この苦しい状況から脱するために、マーケティング・オートメーション(MA)やSNSの立ち上げ、新規顧客の獲得数を増やすため営業訪問先数の目標値(KPI)など、さまざまな努力を続けていますが、うまくいかないと感じている方も多いはずです。
それは、本当に「売れない問題」ですか?
先ほどの悩み「売り上げが下がる」「新規顧客が獲得できない」「今までの広告が効かない」は「問題」というより、単なる現在の「状況」に過ぎません。この状況が苦しいのは理解できますが、その状況をきちんと整理・解析せずに打ち手や対策を実施するため、なかなか成果につながらないのです。「状況」とは、今起きているその場での現象=症状です。
現状「状況」とゴール「理想」のギャップ
まずは、自分や自社はどのようなゴール「理想」を求めていますか。
・毎週、毎月、売上目標が達成できる
・毎日、お客様候補からメールで問い合わせが数多く寄せられる
・お客様の満足(顧客ロイヤルティ)を得て、安定的な売り上げを実現する
このような抽象的で単純なものでよいのです。そして「問題」については、現状「状況」とゴール「理想」の構造的なギャップと理解しないまま新しい対策をすることで、よけいに事態を複雑化しているのではないでしょうか。
私たちはついつい「売り方」ばかり考えてしまいますが、顧客からの視点で状況を見なくては、いつまでたっても根本的な治療にはなりません。この本では、売れないという事象や現象をマーケティングの理論&フレームワークという『マーケティングボックス』に放り込み、掘り下げて問題の所存を見つけ課題を形成、解決していくことを目指しています。つまり「売れない問題」を追求し、真の問題をお客様視点で探す方法を事例とともに具体的に解説をしています。
<目次>
第1章 「売れる仕組み」をどう動かしていくか
第2章 「買いたい人」は、あなたを知らない
第3章 顧客の心理は、日々変わっている
第4章 「売り物」の価値を高め続ける
第5章 仕組みで買っていただく力