この本は人気コミック「ドラゴン桜」を通して、自分の個性にあった「学び型」を知り、勉強やスキルアップに役立てていくことを目的にしています。FFS(Five Factors & Stress 小林恵智博士)理論による自己理解・他者理解の方法で効率的な学びの方法を解説。同じ教えを受けても、まったく異なる結果になると説明しています。
ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型【WEB診断付き】 [ 古野俊幸 ]
個性によって、「学び」は異なる
まず、「学び」とはたいてい目的が存在します。「合格する」「資格を取る」「事業を成功させる」などです。その目的のために必要な知識や技術を「真似て習う」ことから始めて、覚える、習得する、身につけることが学びだと言えます。つまり、「学ぶ」とは主体的で能動的な行為であり、そこには主体的な意図が必要になります。単に体験するだけでは学びにつながりません。
知恵へと昇華するには
主体的に情報を獲得し、知恵へと昇華するには個性の影響を強く受けます。とくにFFS理論で言うところの「拡散性」と「保全性」の2つの因子です。「拡散性」の高い人は「概念化型の学び」が得意ですし、「保全性」の高い人は「体系化型の学び」が得意です。そして2つの「学び型」は、本人が意識的に選べるものではありません。気質に由来する因子(生まれ持った特性)なので、関係なく決まってしまいます。
勉強が苦手だと思っている人へ
未成熟児から小学校低学年にかけては、本人の個性にあった「学び型」で勉強させることがとても重要です。この時期の「好き/嫌い」がその後の学習習慣を大きく左右します。つまり、自分に合った学び型で勉強→その教科が「好き」になる→「得意」になる→ますます勉強する。反対に自分に合わない学び型で勉強→その教科が「嫌い」になる→「苦手」になる→ますます勉強しなくなるという、メカニズムです。
あなたはいきなり水に飛び込めますか
ドラゴン桜に「水泳を覚えるには まず 水に飛び込むこと」という一コマがあります。これを見て、「それはそうだ、まずは飛び込まないと」と思った方は「拡散性」が高い人。「それは怖い、ちゃんと水泳の基本を理解してからだよ」と思った方は「保全性」が高い人。「学び型」の特徴があらわれているシーンです。この本に掲載の自己診断で自己理解を深め、自分に合った目標の立て方、計画の立て方、モチベーションの保ちかたなどの方法を紹介しているので、ぜひ、活用してみてください。
私の場合、幼少期に親が車のたくさん掲載されているパンフレットを持ち帰っていたので、街ですれ違う車の名前はほとんど答えることができました。そこからなぜ車は動くのかの仕組みに興味を持ち、「自動車大百科」を買ってもらい火がつきました。機関車から飛行機などあらゆる動く仕組みをひと通り調べ終わると今度はそれを発明した人に興味をもち、エジソン→アインシュタイン→相対性理論→原爆→歴史→生命→ウイルスなど他にも興味がどんどん膨らみ読書が止まらなくなりました。今でも、その原点の「ケイブンシャの自動車大百科9」はボロボロですが大事に持っています。
<目次>
第1章 学びには「型」がある(「拡散性」「保全性」と学びの「型」)
第2章 「型」の重要さを意識する(型を作る)
第3章 自分の「型」を磨く(それぞれの「型」を発展させる)
第4章 苦手に「型」で向き合う(苦手の克服か、得意を伸ばすか)
第5章 「型」と目標設定(自分に合った「目標」を設定する)
第6章 計画を「型」で管理する(「計画倒れ」が発生する理由)
第7章 「型」が日常になる日(学びを「習慣」まで持っていく)
第8章 競争と「型」で究極の学びへ(学びに「競争」は必要なのか)