世界の理解が深まるラテン語入門書

知識が広がる本

ラテン語というと、古代ローマ人が使っていた言語で、過去の遺物だとこの本を読むまでは思っていました。ところが、実際は18世紀ごろまで頻繁に使われていた言語であり、ローマ帝国が滅んだ後もヨーロッパでは学者同士が使う共通言語として使われていました。有名な科学の本はラテン語で書かれたものが多く、ニュートンもフェルマーもコペルニクスもラテン語で発表。そのため、ラテン語の語源の痕跡は現在もいたるところに存在するのです。

世界はラテン語でできている (SB新書) [ ラテン語さん ]

聖書もラテン語訳が一般的
中世の西ヨーロッパでは、聖書と言えばヒエロニムスによるラテン語訳「ウルガータ」が読まれるのが一般的でした。ラテン語の影響は宗教音楽や絵画などの芸術作品にも随所に見られ、聖職者たちもラテン語でコミニュケーションをしており、キリスト教において多大な影響力をもっていました。

語源で考えるhistoryとstory
history(歴史)とstory(物語)という英語の語源は実は異なります。historyの語源は「探究、記述、歴史、物語」などをさすラテン語のhistoriaです。storyの元は古フランス語のestoire(年代記、物語)です。似ているような単語でも語源の担う意味は異なります。

コペルニクスの「天球回転論」は
天球回転論もラテン語で書かれていました。その原文を読むと宇宙の中心を太陽そのものではなく「太陽の近く」と書かれています。コペルニクスの地動説は「太陽中心説」と呼ばれることがありますが、はっきりと書いてはいません。はっきり書いてあるのは「太陽は静止している」ということなので、「コペルニクスは太陽静止説を唱えた」と書く方がより正確という人もいます。

メルカリもアシックスもラテン語由来の名前と聞くと今だに多大な影響を与えていることがわかります。コロナもウイルスもラテン語が元です。世界の歴史や政治、宗教といったジャンルの理解の解像度があがります。

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