世界史を民族から学ぶと理解が深まります

歴史・哲学の本

世界の各民族の軌跡を歴史的史実によって解説。移民・難民問題・民族対立・紛争・人種差別など、見えざる壁がわれわれを引き裂いています。その複雑でわかりにくい世界史を民族を軸に日本人にもわかりやすく知ることができます。

教養として知っておきたい 「民族」で読み解く世界史 [ 宇山卓栄 ]

民族特有の「雰囲気」の違い

われわれ日本人は中国人や韓国人について顔や容貌がほとんど変わらない場合でも雰囲気で日本人と違うとなんとなく判別ができます。見た目は一緒でも、民族が生きた社会や環境、文化や伝統の記憶は、否応なく民族の遺伝子に刻まれています。

日本人も中国人も分類的には一緒

遺伝学上、「モンゴロイド(モンゴル系の意)」という人種系列があり、日本人をはじめ、中国人、韓国人、東南アジア人などはこれに分類されます。他、現在ではコーカソイド、ネグロイド、オーストラロイドの4大人種に分類することが一般的になっています。ただし人種相互に遺伝的個体としての明瞭な境界はないとするのが、一般的な学説で4大人種は概念的なものです。

「人種」と「民族」は意味が異なります

「人種」はDNAなどの遺伝学的、生物学的な特徴によって導き出されたカテゴリーで、「民族」は言語、文化、習慣などの社会的な特徴によって導き出されたカテゴリーです。たとえば、日本人と中国人は「人種」は一緒ですが、言語などが異なるので「民族」は同じではありません。

「人種」「民族」の他に「国民」もあります

たとえば、アメリカ人とは「国民」としての特徴によって分類されるカテゴリーで人種や民族としてのカテゴリーではありません。コーカソイド(いわゆる白人)、ネグロイド(いわゆる黒人)、モンゴロイド(いわゆる黄人)もいます。人種や民族が異なっていても国民としてのアメリカ人に分類されます。

「民族」は血統も関わります

「民族」は言語、文化、習慣が同一であれば、同じ民族になるのかというと、仮に白人や黒人が日本語を完璧に身につけ、文化や習慣においても日本人と同化すれば「日本民族」なるのでしょうか。それに関しては抵抗を感じる方が多いと思われます。血統という前提が大きく入りこんだ概念として認識されています。

民族とは何なのかを理解できたかと思いますが、民族を軸に朝鮮人とは何か?、沖縄人やアイヌ人は「原日本人」、もともと奴隷を意味した「スラブ」、3200年続く「カースト制」、なぜユダヤ人は迫害されたのかなどを解説。世界各地で紛争や対立の火種になっている問題も「民族」から紐解くとわかりやすく知ることができます。中高生にも歴史を学ぶ上で理解を深めるのに役に立つ内容だとおもいます。

<目次>
第1部 「民族」はこうして始まった
第2部 東アジアと日本
第3部 世界を支配したヨーロッパの国々
第4部 インド・中東・中央アジア
第5部 複雑に入り組む東南アジアの諸民族
第6部 アメリカ、アフリカ、民族に刻まれた侵略と対立の傷跡
第7部 大帝国の成立ー民族の融和
第8部 民族の血統が教える世界

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