味噌、醤油、酢の偉大さを知る

知識が広がる本

日本は特有の気候風土のため「国菌」である「麹菌」が地球上最も旺盛かつ強健に分布生息していいます。この菌が米や大豆、麦に繁殖して「麹」をつくり、醤油、味噌、米酢が得られるのです。

醤油・味噌・酢はすごい 三大発酵調味料と日本人 (中公新書) [ 小泉武夫 ]

<はじめにの内容>
日本食になくてはならない存在
醤油、味噌、米酢を造るのには、共通した麹菌の応用が大昔から続けられてきました。この三大調味料は、日本人の食生活において、美味しさと酸っぱさの演出で日本食文化になくてはならない存在です。味噌汁がなければ「一汁三菜」を基本とする和食は成り立たず、醤油がなければ魚介の生食「刺身」も食べられず、酢がなければ酢和えや酢じめ、寿司もできません。

保存食としても理想的な調味料
三つの調味料は調理学的視野から見てみると、食の保存という共通のキーワードが宿っています。冷蔵庫がなかった時代には、味噌漬けや醤油あるいはたまり漬け、酢漬けにしておくことで、腐敗をさけ、おいしく永く貯蔵することができます。さらに生臭さを消すのにはは魔法のような力を持ち、魚を食べる日本人にとって、最も理想的な調味料なのです。

粒食文化の日本
中国の万頭や麺、西欧のパンやヌードルは粉にして食べる食態ですが、米を粒のまま炊いてご飯粒で食べる日本人にとって醤油、味噌、酢は実に調和しています。たとえば、おむすびに味噌あるいは醤油を塗ってそのままでも、それを焼いても粒のご飯と実によくあって美味しいし、飯粒に酢を加え握った酢と飯の相性は、生の魚介まで巻き込んで絶妙のおいしさになります。

<レビュー>
日本人にとって、味噌、醤油、酢は重要な嗜好品であり、その歴史や周辺の食文化、さらには現状を理解することは、和食がユネスコの無形文化遺産に登録された今こそ必要なのではないでしょうか。特上のお寿司をとったら醤油を切らしていた。近所にはコンビニもなかったとすると、どうだろうか。口のところまでマグロの握りを持っていって、口を大きく開けてはまた元に戻す。醤油の偉大さを知るにはこういうときなのです。塩の話から始まり、歴史、製造過程や成分や効能まで、日本の食文化の基層とその周辺を知るのに深い内容で学べます。

<目次>
第1章 醤油の話(塩のこと/醤油の歴史/醤油ができるまで ほか)
第2章 味噌の話(味噌の歴史/味噌の造り方と種類/味噌の成分 ほか)
第3章 酢の話(「酢」とは/日本の酢の歴史/酢の造り方と種類 ほか)

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