ストア哲学は人生の試練を切り抜けるのに必要な強さと耐力を与えてくれるます。特に重要な考え方は「変えられるものと、そうでないものを区別すること」です。たとえば、自分の身長が小さいことや他の国で生まれれればよかったなど、願ってもかなうことはありません。そんな動かすことができない事実といつまでも格闘するのではなく、自分で変えられることに時間を選択することが重要だと説いています。
ストア派哲学入門 成功者が魅了される思考術 (フェニックスシリーズ) [ ライアン・ホリデイ ]
ストア哲学の核心
「ものの見方」「行動」「意思」。互いに重なり合う三つの原則がストア哲学の核心です。すなわち、ものの見方を正しくコントロールすれば、澄みきった目でありのままに世界を見ることができ、行動を適切な方向に向ければ、期待した成果を納めることができる。そして意思の力を正しく用いれば、どんな困難にも対処できる知恵とバランス感覚を身につけられ、人生の喜びも生まれる。これがストア派の信念なのです。
コントロールできる範囲
道理が分かった人は、どこまでが自分でコントロールできる範囲内で、どこからがその範囲外なのかを心得ています。その自分の意思でコントロールできる範囲とは、とても狭く「自分の心」だけなんです。自分の「体」さえ、コントロールはできません。なぜなら病気や怪我で「体」を動かせることができないこともあります。他にも財産、親、兄弟、子供、祖国もコントロールできません。
何もかも分かった気になるな
生徒たちは口では教えてくれといいながら、内心は自分は知っていると思っていることが多い。事実、情報が溢れる現代はなんでも分かった気になってしまうところがあります。この態度を改めることができれば、もっとよく学べるでしょう。「私が出会うどんな人も、何らかの点で私の師であり、学べることがある」と謙虚になることが大事なのです。
知識は言葉でなく行動で示せ
ストア派の格言はシンプルで覚えやすい。しかしそれは哲学の本来の姿ではありません。哲学の目的は、そうした言葉を実際の行動に変えることにあります。「健全な教えを健全な行いと結びつけた」とき、初めて哲学の名に値するのです。
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