日本を壊すには何をしたらよいのか

歴史・哲学の本

戦後世代の日本人は、なぜ戦前を全否定するようになったのか。アメリカは日本が再び脅威にならないように、対日占領政策の最重要課題は、日本人を精神的に弱体化させることでした。とくに戦後日本人に重大な影響をおよぼしたのが、GHQが出した「神道指令」の中の「歴史教育の全面否定」でした。

日本人としてこれだけは知っておきたいこと (PHP新書) [ 中西輝政 ]

神道指令が日本人に命じた事柄
昭和20年にGHQより出されたいわゆる「神道指令」(「国家神道、神社神道に対する政府の保証、支援、保全、監督ならびに弘布の廃止に関する件」指令)には、例えば公務員や政治家が神社(寺や教会ではなく)を参拝するのはダメなど事細かくかかれていました。仏教やキリスト教については、大きな問題にされたことはありません。ようするに、「神道弾圧政策」だったのです。

歴史教育の全面否定
「神道指令」が日本および日本人に命じた事柄は三つありました。神道に加え、皇室の伝統、そして歴史教育を全面否定することでした。アメリカでは歴史の授業を大変に重んじており、週に5〜6時間は教えるのが当たり前で、自分たちの歴史は大切にしながら、日本の歴史は否定しました。そのため、日本では「社会科」という科目の一部として「歴史」を学びます。社会科というのは、「現在の社会がどうなっているのか」を学ぶもので、歴史とは別物として扱わなければならないのです。

日本の戦後の平和の理由
なぜ、戦後世界の平和が維持されたかというと、米ソ両大国が核兵器を持ってにらみ合う冷戦体制があったからです。「鉄の女」マーガレット・サッチャー女史も「核兵器をなくしたら、世界はただちに、かつての大戦争の時代、世界大戦の時代に逆戻りするだけだ」と言っています。「日本国憲法の九条のおかげで日本は平和が続いた」と思ってはいけません。日米安保こそが戦後の日本の平和を支えたのです。もし日米安保がなかったら、ソ連の侵略を受けたか間接侵略を受け、国内に社会主義革命、暴力革命が起こっていたことでしょう。

<レビュー>
戦後、アメリカは日本占領にむかう軍人に対して、徹底した教育を施しました。「子どもがいたら、積極的にチョコレートやチューインガムをやりなさい」という指導まであったそうです。「アメリカの民主義がいかに素晴らしいか」という、宣伝行為でした。日本国憲法も草案を最初から最後までアメリカがつくり、日本は翻訳に徹するというもとで成立しました。日本では今だに憲法九条が平和憲法として過半数が賛意を示しています。「戦後の選択こそが正しかった」とばかりで、「一方的に戦前の日本を全否定」するような歴史を教える日本。お隣の国の顔色を伺って首相が靖国神社に参拝できない日本。本当の平和を得るには武力を保持し、いったん事あれば戦争も辞さずという気概を持たずして、国家としての独立と存続はありえません。皆さんも疑問が湧き出てきたでしょう。この本に答えがありますよ。

日本人としてこれだけは知っておきたいこと (PHP新書) [ 中西輝政 ]

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