非合理な人間の行動を知る学問

知識が広がる本

グーグル、アマゾン、ネットフリックス。世界の企業が「行動経済学チーム」を設けている。「行動経済学」とは、経済学と心理学が融合してできた新しい学問であり、その本質は「人間の『非合理的な意思決定のメカニズム』を解明する学問」です。この本では、以前は混沌としていた理論をわかりやすく、整理、体系化して説明していますので、理解しやすい構成になっています。

行動経済学が最強の学問である [ 相良 奈美香 ]

<序章より抜粋>
経済学では限界があった
経済学は「経済活動における『人間の行動』を解明する学問」です。お金が動く「経済」という枠組みの中で、人はどう行動するのか。それはなぜなのかを明らかにして理論化していきます。ところが、伝統的な経済学では全ての「人間の行動」を解明するには限界がありました。なぜならば、人間は常に「非合理に行動」するからです。

人は非合理な生き物である
私たちは合理的に考えれば、痩せたいのであればヘルシーであるAランチを頼んだ方がいいのに、太るとわかっているのにBランチを頼んでしまう生き物です。経済学は、人間を研究対象としているにもかかわらず、こういった「非合理」である人間の「心理面」が考慮されていませんでした。そこで心理学を融合した「行動経済学」が誕生しました。

わかっているつもりの行動経済学
行動経済学の理論や効果がどんなものかは漠然と知っていても、それがどんなものか理解し、単なる「知識」ではなく「教養」として身につけ、人に語れるような人は少ないのが現状です。理由は単純でカテゴリー分けがされておらず、理論をただ羅列しただけになっているからです。例えば、「人間には現状志向バイアスがあるから、今あるものを評価して新しいことができない」という知識だけあっても、表面的な理解だけで終わってしまいます。本質を理解し、各理論とを有機的に結びつけてこそ、「知識」が「教養」になり、行動ができるのです。

<レビュー>
人がついつい「非合理な意思決定」をしてしまうメカニズムには大きく3つの要因があります。それは「認知のクセ」「状況」「感情」です。この3つがあるからこそ、私たちは合理的ではない判断をしてしまうとのこと。その「非合理な意思決定」に影響を与える3つカテゴリーに、それぞれの理論を分類、体系化することで、混沌としていた各論理が、行動経済学の「本質」および3つのカテゴリーによって有機的につながりました。
「認知のクセ」では、情報の処理の仕方そのものに「歪み」が存在します。人間は脳が情報処理する際に、「直感(システム1)」と「論理(システム2)」に基づいて場面場面で使い分けています。素早く情報を把握・判断する必要がある時は「システム1」を使い、集中してじっくり情報を捉え、過去の経験などに照らし合わせて思考し、情報を分析した上で把握・判断する時は「システム2」を使います。これは、常にシステム2で判断していると脳がパンクしてしまうためです。
「状況」では、人間は環境に左右されて意思決定し、状況に影響されて行動していることが研究で証明されました。例えばレストランでランチBを積極的に売りたい場合、Aランチはあえて高い料理、Cランチはとても安いけれど一風変わった料理にしておくことで、自然とBランチを選ぶように誘導することができます。このように周りの状況は判断に影響を受けるのです。
「感情」では、従来の経済学では人は合理的であり感情に左右されていないとされていましたが、不安や怒りであり得ないミスをしてしまうことを人は感覚的に理解しています。ようするに感情が高ぶった場合は影響が強くなります。
以上の3つの分類の行動経済学の理論を知ることで、人間の意思決定に影響する要素をすべてカバーでき、「知識としては知っているけど、理解が浅い」という問題を解決できます。この本を読んで、単なる知識を使える教養として身につけましょう。

<目次>
序章 本書といわゆる「行動経済学入門」の違い
そもそも行動経済学は「なぜ生まれた」のか?
「従来の行動経済学」は体系化されていない ほか
第1章 認知のクセー脳の「認知のクセ」が人の意思決定に影響する
認知のクセを生む「大元」は何か?
システム1が「さらなる認知のクセ」を生み出す ほか
第2章 状況ー置かれた「状況」が人の意思決定に影響する
人は状況に「決定させられている」
「多すぎる情報」が人の判断を狂わせる ほか
第3章 感情ーその時の「感情」が人の意思決定に影響する
そもそも「感情」とは何か?
「ポジティブな感情」は人の判断にどう影響するか? ほか)
エピローグ あなたの「日常を取り巻く」行動経済学
「自己理解・他者理解」と行動経済学
「サステナビリティ」と行動経済学 ほか

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