意気消沈せず、希望をもって生きる

知識が広がる本

2024年致知6月号
<巻頭の言葉 人間の是非のものさしを棄て、天の心、神の心で生きるより>
人間世界の是非善悪はいいかげんなもの
「人間」は「にんげん」と読まず、「じんかん」と読んだほうがしっくりくる。なるほど、人とは間が重要である。人と人、大きくは国と国とがどちらも正義の名のもと、神の名のもとに限りない争いを繰り返している。正義の「正」の字も「一似て止まる」と書き、「一」は「天の心、神の心」といわれている。神が争うはずはない。人間が神や正義をかざして争っているにすぎない。聖徳太子も「十七条憲法」の第一に「和を以て貴しと為す」と記したのも、善悪ですべての物事をみるのではなく、和の心を持てということなのでしょう。

<インタビューより>
「理想に向かって歩む自分を選べ」吉塚公雄氏
山地の自然力を生かし切る
地元に限らず全国から注文が相次いでいる牛乳がある。一般の牧草地では数種類の牧草を与えるところを、ここの牛は自然に生えてくる旬の野草を相手にしている。しかも急斜面もある牧草地で、牛たちは草を食べながら山を歩き回って、糞尿を撒いてくれます。だから農薬がいらないし肥培も自分でやってくれている。

電気のない生活を10年
植物生態学者、猶原恭爾先生が説いた「山地酪農」は“草の神様”と呼ばれ学会で発表していました。しかし当時の既存の酪農家はできるだけ牛を小屋に繋いで飼料を多給し、いかに多くの乳を絞るかという発想でどこも採用しませんでした。そこで先生の理論は正しいかを証明するために山地酪農に取り組んだのですが、道のりは遠くお金もなく電気がない生活を10年も続けることになりました。その理由は「山地酪農」は飼料をたっぷり与えた乳牛に比べ3分の1程度。しかも牛乳の成分や乳量を理由にCランクのため年収は百万いかない状況でした。

奇跡の牛乳の理由
農協に納めると他の牛乳と混ぜられて意味がなくなる。土地を取り上げられる瀬戸際まで切羽詰まった状況。応援の声をいただきプライベートブランド「田野畑山地酪農牛乳」の立ち上げを決めたのは、一世一代の賭けでした。今では地元に限らず全国から注文が相次ぎ、「奇跡」の牛乳という人までいます。酪農で普通使われる農厚飼料は輸入の時にたくさんの農薬が散布されていますが、「山地酪農」は野草と自前で栽培する牧草100%が他の牛乳と違う理由だと思います。

<仕事と人生に生かすドラッカーの教えより>
自己開発とはスキルを習得するだけでなく、人として大きくなることである。佐藤等氏
貢献は自己犠牲ではなく、自発的であり、貢献したいか、したくないかという選択の余地もない、とドラッカーはいいます。ようするに「貢献」とは組織の中で働く際に視点を定める道具です。貢献という「メガネ」をかけると「成果」が見えやすくなり、自然と組織の外に意識が向います。「成果」は組織の外の世界にいる顧客に起こる望ましい変化なのです。

致知は読むには書店では売っていないので、定期購読が必要です。

『致知』のお申込み|致知出版社
人間力を磨きたいあなたの手元に「致知」を毎月お届けします。
タイトルとURLをコピーしました