日頃、私たちは何気なく「神様」や「神」という言葉を使っています。たとえば、「あの社長は経営の神様だ」「彼は神様のようにやさしい人だ」「今のシュート、神業」
人間の超越した存在や我々の常識を超えた働きを目にしたとき、私たちは「神様」という言葉でその驚きや畏敬の念を表現します。江戸時代の国学者「本居宣長」は、神様を「尋常ならずすぐれたる徳のありて、可畏き物」ととらえたそうです。
たとえば、太陽は万物を分け隔てなく照らし、地球に熱と光をもらたす不思議な働き。作物を育て、動物を生かし、水を蒸発させて雨を降らせる不思議なメカニズム。こうした摩訶不思議な力に昔の人は「火の神様」「風の神様」「山の神様」といった具合にご神名をつけ、畏敬の念を示しました。
本当は、私たち人間も「神様」です
呼吸をして脳や体内に酸素を送り、何十兆といわれる細胞が活動している私たち人間も尋常ではない可畏き物です。そのことを神話や昔話、祝詞や行法などさまざまな形で伝えてきたのが私たちの祖先でした。日本の国ができた頃のことをまとめた神話というだけではなく「神様と人間は一緒である」ということを「古事記」は物語として伝えてくれています。
日本の神様を知るには「古事記」
「古事記」と聞くだけで難しそうなイメージがあります。そんな「古事記」を理解するために、3つの要素として「6柱の神様」「3つの世界」「6つの物語」をわかりやすく解説しています。生きていくと良いことだけが起こるようにはできていません。神様の世界のことを知ることで、悪いことも「世界を巡らせている摩訶不思議な働き」として受け入れることができることでしょう。
この本がおもしろいのは、著者は学者でも宗教者でもない会社の社長が書いたことです。大学をでたあと、会社に勤めましたが退職し、中国やチベットを旅しました。そこでダライラマに謁見することで、日本に帰って仕事がしたくなり就職しましたが、人生うまくいかず会社を転々とし、自分の会社を設立。売り上げが上がり社員が成長すればするで「心をざわつかせるできごと」がやってきます。そんな時に大学の時に勉強した「古事記」を読み直したところ今回はすっと頭に入り、神様のことを知りたくなり、社長業のかたわら「日本の神様カード」講座などの講師をするようになったいう経緯の人物です。そのような苦労をした著者が書いているので、すっと内容に共感ができると思います。
ビジネス書もいいですが、神様のことをもっと知ってみませんか?
<目次>
1章 神様とはどんな存在?
2章 大活躍!6柱の神様
3章 日本の神様図鑑
4章 神様を身近に感じるために
5章 もっと知りたい神様の世界
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