世界の中心で、プランクトンは生きている

知識が広がる本

肉眼では見ることができない微生物たちの形や生き様は千差万別です。長細い形や三日月形、おにぎり形や星形、ミジンコやエビにもたくさんの種類がいて、見ているだけでキレイで心ときめくものがあります。

ときめく微生物図鑑【電子書籍】[ 塩野 正道 ]

<はじめにより>
微生物にも大小いろいろ
肉眼ではっきりみることができない微生物ですが、範囲はあいまいです。大きさだけでも、真正細菌(バクテリア)、古細菌(アーキア)、カビなどの菌類、藻類、原生動物、小型の動物などさまざまなグループが含まれています。プランクトンと細菌では、千倍ほども差があるのです。

この世のパラレルワールド
肉眼で見ることが難しいので気がつくことはほとんどありませんが、水、土、空気中と世界のどこにでもいます。中には私たちの体の中や、皮膚の表面にも暮らしているものもいます。微生物を知るということは、この世のパラレルワールドを知ることでもあります。

微生物の発見から、わずか300年
人類が微生物の存在に気がついたのは、わずか300年ほど前のこと。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、多くの生き物は親から生まれるもののほかに、親は存在せず、物質から発生するものもあると考えました。「自然発生説」と呼ばれるこの考え方は、つい最近の近世になっても続いていたのです。

<レビュー>
微生物の生態はとてもおもしろいです。たとえば、ゾウリムシの仲間は真正細菌(バクテリア)を捕らえて食べていますが、クロレラと共生しているミドリゾウリムシはクロレラが光合成をしてつくるエネルギーを利用しています。ミカヅキモは乾燥などで環境が悪化すると、二つの細胞がくっついて殻をもった接合子になり、環境が回復するまで休眠します。ミジンコは体が透明で血液も透明ですが、水中の酸素が不足すると血液を透明にすることができなくなり、赤いミジンコになってしまいます。不思議な微生物のキレイな写真を見ているだけでも楽しい一冊です。

<目次>
STORY1  微生物の記憶
STORY2 プランクトン図鑑
STORY3 もっと!微生物
STORY4 世界をつなぐ微生物
STORY5 ワンダフル微生物ライフ

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