お金が人を幸せにすることはありません。しかし、お金持ちが幸せであることは事実です。なぜならば、人は幸せに生きていれば、自動的にお金持ちになっていくからです。お金があるから幸せなのではなく、幸せだからお金持ちなのです。この本は人生哲学を肌で感じることで、今まで普通に見ていたり感じていた景色が、一変して見えることでしょう。
幸せは本人の気分次第
どのように生きれば、人は安心して幸せに生きていけるのでしょう。王様であっても、普通の人であっても1日を通して何をするかはそんなに変わりません。朝起きてトイレに行き、朝食を食べ、仕事をする。夜になれば自宅に戻り、家族との時間を過ごす。夏は暑いと思い、冬を寒いと思う。恋に悩み、子どもの成長を喜び、美しい景色を見て感動する。ならば、幸せを決めているのは何なのか。それは「気分」なのです。何をもっているから幸せではありません。
お金持ちとは生き方です
歌が歌えたらミュージシャンになれるわけではありません。文章が書ければ作家になれるわけでもありません。それと同じく、お金があることと、お金持ちであることはまったく違うことなのです。お金は流動的なものですから、「今」どれだけのお金を持っているかに大きな価値を見出しているうちはお金持ちにはなれません。お金があれば幸せだという考え方は、お金がなければ幸せになれないと言っているのと同じです。「お金にコントロールされる」生き方は、本当の幸せではありません。
他人をわかろうとしない
私たち人間は、皆それぞれ違う生き物です。何を好み、何を良しとし、何を正義と思うのか。すべて人によって違います。言葉の定義も違います。「知っている」という言葉も、一冊の本を読んだことを意味する人もいれば、大学で勉強したことを意味する人もいます。机で勉強して知った人もいれば、実際に体験して知った人もいます。知れば知るほど、付き合いが長くなればなるほど、お互いの違いが見えてきます。ですから、人との仲もわからないものを「悪い」「合わない」としてしまっては、世界は敵だらけになってしまいます。「わかる」が「良い」「合う」ということではないのです。「わからないものをわかろうとしない」が、あなたを新しい世界に連れていってくれます。相手を自分の都合のいいように変えてもいけないし、悪者にしてもいけませんし、理解しようとしてもいけないのです。
<レビュー>
幸せな金持ちとして生きていくには、お金持ちの真似をすることが最短の道です。しかし、「お金持ちがどんな暮らしをしているのかを見て、それを真似する」のでは意味がありません。「結果」だけを真似しても現実は変わりません。どのような生き方なのかを「知る」ことが大切です。そしてそれは、目の前にある「今」のあなたにできる、でも、していないことだと著者は説明しています。それは、お金持ちのイメージを追いかけることではなく、「わかること」をすること。無理してファーストクラスに乗ることではありません。人が何かできるようになるときは、いつでも順番は「知る」「わかる」「できる」です。言葉は似ていますが、「わかる」「できる」は明確に違います。さらっと重要なことが随所に書かれていますので、それを本書で発見してみてください。
<もくじ>
第一章 お金がやってくるとき「何」が起こっているのか
第二章 世にも美しいビジネスの話
第三章 お金持ちは見えない世界を見ている
第四章 お金持ちとして生きるために大切なこと